交響曲第5番「運命」

交響曲第5番は「運命」と呼ばれています。しかし、運命というタイトルはベートーベンが命名したわけではありません。「曲の冒頭のダダダダーンというのは、何を表している音ですか?」との質問に、ベートーベンが「運命がドアを叩く音だ」と答えたため、運命というタイトルがつけられたと言われています。

交響曲第5番「運命」(つづき)

交響曲第5番は1804年に作曲されていますが、冒頭部分の「運命がドアを叩く音」は 1798年からすでに完成していたとされています。

1798年はベートーベンが耳が聞こえづらいことに気付いた時期であり、「運命がドアを叩く音」というのは「音楽家としての終末が近づいてくる音」でもありました。

交響曲第5番は、第1楽章から第4楽章によって形成されています。第1楽章は「運命が叩くドアの音」で始まり、避けることのできない運命の到来を表現していると言われています。

ベートーベン楽譜

第2楽章では第1楽章との雰囲気が一転し、穏やかな曲調へと変化します。困難な運命に直面した人が、冷静に確実に歩んでいる様子を想像させます。

第3楽章ではチェロ、ホルン、コントラバスが「運命がドアを叩く音」を重ねるように演奏していきます。第1楽章では困難ばかりが表現されていましたが、運命には希望や幸運もあることを予感させるような曲調です。

第4楽章ではピッコロが加わります。当時、交響曲でピッコロが演奏に加わることは、とても珍しいことでした。ピッコロが加わることにより、さらにメロディは明るく盛り上がっていきます。困難な運命を乗り越えた喜びを表現しているとも言われています。


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