ピアノソナタ第8番「悲愴」

1798年、ベートーベンはピアノソナタ第8番「悲愴」を作曲します。ベートーベンは自分が作った曲に、ほとんどタイトルをつけていませんが、ピアノソナタ第8番の「悲愴」は、ベートーベンが自ら標題を考えた、数少ない作品です。

ピアノソナタ第8番「悲愴」(つづき)

ベートーベンが作曲した有名な楽曲に「運命」「月光」がありますが、そのいずれもベートーベンはタイトルをつけていません。「運命」「月光」はベートーベン以外の人物がつけた標題になります。

しかし、ピアノソナタ第8番の「悲愴」は、ベートーベンが自ら標題を考えた、数少ない作品になります。

タイトルである「悲愴」とは、悲しくて痛ましいという意味を持っています。これは、ベートーベンが音楽家としては致命的な難聴を患ったことによる、深くて大きな悲しみを楽曲にこめたことであると考えられています。

ベートーベンイメージ

当時、ベートーベンが抱えていた大きな悲しみが、ピアノソナタ第8番「悲愴」には表現されています。

ですが、交響曲第8番「悲愴」は緩急が入り混じっているテンポにより、ベートーベン個人の悲しみだけではなく、人間が生きていくことで出会う、さまざまな困難と悲しみによる感情の起伏を表現しているかのような曲となっています。

緩やかなテンポの時は、深い悲しみがよみがえる感情を表現し、激しいテンポの時には、悲しみを忘れている時期を表現していると考えることができます。

ベートーベンは「悲愴」というタイトルをつけることにより、自分の大きな悲しみを伝えてきましたが、それは決して個人の悲しみだけではなく、人類共通である生きることによる悲しみを伝えたかったのかもしれません。


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